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空気感 [本]


坂の下の湖

坂の下の湖

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2010/10/14
  • メディア: 単行本


石田氏のエッセイです。
R25に連載していたものを、まとめたもの。
池袋ウエストゲートパークシリーズに出てくる主人公たちの年代の人たちへのメッセージ、
といったところか。
小説の感じから、訴えかけるものがブレない。
若者たちへ、でも、それよりも上の者たちへも。
この人の話を読むと、そうか、それでも私達も一歩を踏み出さないとな、
と思わされて来る気がします。


おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)

おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/10/12
  • メディア: 単行本


『さよならドビュッシー』の第二弾、音大講師の岬洋介が探偵役として、
謎を解いて行きます。
さよならドビュッシーと時期的には、初めの頃なんかは重なっています。
レビューでは、『さよなら〜』の方が良かった、という人が多いのですが、
私はこちらの方が好きでした。
前作の主人公のピアノ至高主義が鼻についていたのが、専らの理由ですけども。

今回の主人公は、岬が講師をしている大学に通う晶。
ヴァイオリンを弾く4年生で、学長であるラフマニノフの名ピアニストの孫娘、
初音と仲が良い。
大学が所有する、ストラディバリウスのチェロを初音が借り出そうとし、
盗まれていたのに気が付いたことから、事件は走り出す。
時価2億円。
楽器やらない人には、楽器が違うだけで、こんなに音色が違ってくるものなのか、
理解しがたいものがあるかもしれませんが、
アマチュアの私でも分かるものなのです。
いや、私はヴァイオリンは触った事も殆どないので分かりませんが、
ホルン、吹き比べさせてもらってビビったことがありました。
ね、音色が全然違う!吹きやすさも違う!
(私比。)
うぉ〜。

秋の演奏会で学長のピアノと一緒に演奏するオーケストラには、
いくつか特典があり、大学のストラディバリウスを使うことが出来るというのも、
大きな魅力の一つ。
ヴァイオリンの他に、チェロのストラディバリウスもあったのだが、
そのチェロが盗まれたために、オーケストラ内も不協和音が鳴り響き、
まとまる気配もない。

オーケストラものだというところが、今回読んでいて楽しめた理由の一つでしたが、
現実の厳しさを噛みしめながら、現実を直視したくない若者達の心情も、
きりきりと来るものがありました。
ラフマニノフのCDを聴いた後でこれを読めば、
また違う楽しみもあると思います。

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